専門家がイーサリアム3.0の神話を払拭：新しいアップグレードはL2ソリューションを脅かさない

ここ数日、暗号コミュニティでは、ビーム・チェーン（Ethereum 3.0）として知られるイーサリアムの新しいアップグレードが、レイヤー2（Layer 2）ソリューションの存在を脅かしているという噂が流れている。しかし、この情報は真実からかけ離れているだけでなく、アップグレードがもたらす重要なメリットを含んでいない。コリン・ウー率いるブロックチェーン研究者は、ビーム・チェーンとは何か、そしてそれがエコシステムにどのような影響を与えるのかを分解した。まず第一に、これはイーサリアムの現在のコンセンサスレイヤーであるBeacon Chainのアップグレードに過ぎない。別のネットワークや新しい暗号通貨を作るわけではない。既存のロードマップにおけるこのステップは、Beacon Chainのパフォーマンスを向上させることを目的としている。アップデートの主な目的は、ネットワークのセキュリティとスケーラビリティを向上させることだ。アップグレードの理由のひとつは、ブロックチェーン構築プロセスにおける中央集権化に関する問題に対処する必要があったことだ。今日、フラッシュボットなどの企業は取引の順序に大きな影響力を持ち、MEV（最大抽出可能価値）の抽出量を増加させている。Beam Chainはいわゆる「インクルード・リスト」、つまりバリデータがブロックを承認する前にチェックする必須トランザクションを導入している。これにより、検閲や改ざんに対する耐性が高まる。また、今回のアップグレードにより、最小ステーキサイズが32ETHから1ETHに引き下げられ、より多くのユーザーがネットワークに参加できるようになる。Beam Chainはまた、ブロック検証プロセスを大幅に簡素化し、量子攻撃に対するネットワークの防御を準備するSNARKテクノロジーのサポートも追加する。この機能強化により、イーサリアムネットワークのセキュリティと経済ロジックの両方が強化される。

「Beam Chainがレイヤー2ソリューションを脅かすという噂は根拠がない。それどころか、今回のアップグレードは、レイヤー2でスケーラビリティを重視するというイーサリアムの戦略をサポートするものだ。SNARKテクノロジーはコアネットワークの負荷を軽減しますが、トラフィック管理やアプリケーションのメンテナンスなど、このレイヤーの機能に取って代わるものではありません」と専門家は述べている。

さらに、提案されている変更は、レイヤ 2 のパフォーマンスを改善する可能性さえある。例えば、コアネットワークでSNARKを使用することで、alt-VMの統合が可能になる。その結果、レイヤー2プロジェクトはその役割を維持できるだけでなく、エコシステムに新しい機能を提供するために進化することができる。